宮城県美術館の現地での存続が決定・2020年11月

twitterで最新情報を発信中!

フォローする


青葉区川内の宮城県美術館が、現在の場所で存続することが決定しました。宮城県は現在解体工事中の宮城野区の仙台医療センター跡地に、宮城県民会館(東京エレクトロンホール宮城)とともに集約して移転する方針でしたが、反対意見が多く出て決定を先送りし、今月になって正式に移転断念を発表しました。


移転反対の主な意見としては、宮城県美術館の建物が日本を代表する建築家の一人、故前川國男氏の設計で後世に残すべき建築物だということと、改修すれば耐用年数に余裕があること、現在の場所が河岸段丘の強固な地盤の上にあり、長町利府断層の上にある仙台医療センター跡地への移転にはリスクがあることなどが言われました。


また、川内地区は中心部に近いながらも自然と隣接した閑静な場所で、東北大学川内キャンパスや仙台市博物館などもあり、川内周辺を文教地区として文化施設や教育施設を集約したいという仙台市の方針も、県の移転断念の判断に影響があったようです。


宮城県美術館の西側には、佐藤忠良記念館が併設されています。宮城県出身の彫刻家で、記念館の中だけではなく建物の外にも多くの彫刻が飾られています。


美術館と佐藤忠良記念館に囲まれた場所は「アリスの庭」と名付けられていて、無料で展示品を鑑賞できるオープンスペースになっています。


自然の起伏を生かした段差のある空間には、故佐藤忠良氏の作品以外にも多くの彫刻や芸術作品が展示されていて、市民の憩いの場として定着していることも多くの人が移転に反対した要因になっているんでしょうね。


宮城県美術館の現地存続は決定しましたが、建物が築30年を迎えているので改修が必要ということで、どのように改修されるのかなど気になることも多いので今後の動きに注目ですね。ちなみに仙台医療センター跡地には宮城県民会館と、みやぎNPOプラザを予定通りに移転するそうなので、そちらのほうも要注目です。