仙台市が発表した仙台城の整備基本計画のなかで、仙台城大手門の復元に向けて大手門跡一帯の発掘調査をすることが公表されました。
仙台城の建物は明治維新後に解体されたり太平洋戦争の空襲で焼失してしまい、石垣と大手門横の石垣の上にある土塀が残るだけとなりましたが、1967年(昭和42年)に大手門脇櫓が木造で再建されて現在に至ります。
大手門跡近くのマンホールの蓋に、在りし日の大手門が描かれていましたが、このような姿が復元されることになるんですね。
大手門が焼失して以来、本丸へと登る道が車道として利用されていますが、大手門が再建されれば車両は通行出来なくなるので、道路を廃止することが検討されているそうです。
大手門跡の内側(西側)から撮影。仙台城の中を通る道路は中心部と八木山の住宅街を最短で結ぶ路線ですが、地下鉄東西線の開業などで交通渋滞が緩和されているということで、市道を廃止することは可能だと判断したようです。
大手門脇櫓の裏側から撮影。大手門周辺の発掘調査は初めてということで、どのような発見があるのか興味深いですね。現在は樹木が生い茂って山道のようになっている本丸への登坂路では、樹木の伐採や枝切りなどを行って、分かりづらくなっている石垣や土塁の姿を見えやすくして城本来の姿を顕在化させる整備も行うそうです。
脇櫓の横に設置されている説明パネルに、焼失前の大手門と脇櫓の写真が掲示されていました。大手門と脇櫓は共に国宝に指定されていました。一説には豊臣秀吉が建設した肥前名護屋城の大手門を移築したとも伝えられている堂々とした造りの大きな門だったので、再建されたら間違いなく仙台観光の大きな目玉になることでしょうね。
2036年には伊達政宗公の没後400年を迎えるので、そのころに復元の完了を目指しているそうです。大手門が姿を現すのは約15年後ということで、まだまだ先という感じですが、今から完成が楽しみですね。
※参考リンク
河北新報2020年11月30日付記事~仙台城大手門、復元へ発掘調査 来年度から
河北新報2020年12月2日付記事~市道仙台城跡線の廃止を検討へ 大手門復元計画