一番町四丁目商店街と国分町通を結ぶ「虎屋横丁」に設置されているアーチ看板が、老朽化のため撤去されると河北新報が報じたので見てきました。
一番町四丁目商店街の「すしざんまい」の向かい側に「虎屋横丁・糠蔵丁」と刻まれた道標が立っています。藩政時代、このあたりに糠蔵があったことから一番町通は「糠蔵丁」と呼ばれていました。果物店の「いたがき」とスタジオジブリのオフィシャルショップ「どんぐりガーデン共和国」の間の通りを「虎屋横丁」と呼んでいますが、国分町通との交差点の東南角に薬種問屋「虎屋」があり、店頭に木彫りの虎を飾っていたことから「虎屋横丁」と呼ばれるようになりました。
一番町から国分町通に向かって「虎屋横丁」を西へ進んで行きましょう。
道路の幅いっぱいに立てられた「虎屋横丁」と書かれたアーチ看板が見えてきました。
河北新報によると、看板は大手酒造会社の所有で3年ごとに安全性を確認して許可申請し設置してきましたが、今年の調査で看板の文字部分の下に穴が開き、支柱の根元には重度の錆も見つかり、強風や地震の時に看板の落下や支柱の倒壊の恐れがあるということで地元商店主たちの同意を得て撤去することが決定したそうです。
所有者の大手酒造会社がどこかは判りませんが、看板にはニッカの宣伝が描かれています。このアーチ看板がいつ設置され始めたのか不明だそうですが、戦後間もなく立てられたということなので70年位は経過しているようです。虎屋横丁の文字や虎のイラストなどは昭和の風情を感じさせますね。
西側から撮影。
アーチ看板は10月までに撤去されるそうです。その後、地元の商店主たちで再び新しいアーチの設置を検討しているそうですが、現時点では設置するかどうか具体的なことは未定だとか。
長年親しまれたものが無くなるのを惜しむ声も多いので、ぜひ新しいアーチ看板を設置して欲しいものですね。
※参考文献
佐々久「仙台あちらこちら」宝文堂
古田義弘「仙台城下の町名由来と町割」本の森