6月22日にオープンした「ドン・キホーテ仙台駅西口本店」は連日、多くの人で賑わっていて、ハピナ名掛丁の人通りも大幅に増えたような印象ですが、その活気に満ちたビルと並んで南隣には人の気配がない空きビルが立っています。写真向かって右側の「さくら野百貨店」だった建物です。
さくら野百貨店は2017年2月に突然、閉店して大きなニュースになりましたが、1年以上経過した現在も空きビルのままで建物が立っています。
さくら野百貨店の看板は取り外されていますが、建物は閉店当時のまま雨風にさらされて日ごとに老朽化が目立ってきました。建物も8棟のビルを繋ぎ合わせた構造で耐震性にも問題があるそうです。
仙台駅前の一等地でありながら再開発が進まないのには理由があります。河北新報など地元マスコミの報道によれば、地権者が複数いて権利関係が複雑なうえ、地権者同志の思惑がまとまらないことが大きな原因だそうです。建物を解体するのにも全てのオーナーの同意が必要だそうで、それさえもまとまらない状態のようですね。
仙台市の郡和子市長は「地権者の意向が重要」として市として積極的に関与しない考えのようですが、仙台駅を降りて最初に見える仙台の顔であり表玄関とも言える場所なので、建築基準や条例の緩和などの再開発が進めやすいような対応をとるべきなのではないかなと思います。
そして、さくら野百貨店跡の南側にも空きビルが立っています。写真の向かって右側、青葉通を挟んだ向かい側の「GSビル(旧日乃出会館)」です。こちらは、オリックス不動産が取得したビルですが、耐震性に問題があるとして閉鎖、全てのテナントが退去して空きビルになりました。すぐ近くに今年完成したオリックスの「南町通ビル」はGSビルの代替としての意味合いで建設したそうです。
GSビルは解体工事に向けて建物の周囲に工事用の防護パネルが取り付けられ始めました。
現在は内装の解体を行っているようです。GSビルの解体後については、今のところ具体的な計画は発表されていません。
GSビルの東隣では商業施設「EDEN」が営業を続けています。GSビルと仙台ホテル跡を取得したオリックスが一帯の再開発が始まるまでの暫定利用として2011年に開業したものです。
当初は営業期間5年間を目途にしていましたが、2018年現在も営業を続けていて、テナント契約を更に2年延長したそうなので、最低2年間はこのままのようです。
GSビルは解体が決定しているので2年間は駐車場にでもするのでしょうか。あるいはEDENの規模を拡大する可能性もありそうですね。
仙台駅前に空きビルや空き地があることは仙台市にとってマイナスイメージですが、逆に言えば仙台駅前に大規模な再開発の可能性があるということなので、再開発が迅速に進められるように当事者は勿論、仙台市としても何らかの手を打ってほしいものですね。