前回に続いて、公表された7ヵ所の仙台市音楽ホール建設候補地を実際に見ていきたいと思います。前回は4ヵ所を見てきましたが、今回は5ヵ所目の「西公園、市民図書館跡」から見てみましょう。仲ノ瀬橋を渡る手前の広瀬通北西側の場所です。
木々が生い茂っている場所の奥に図書館がありました。音楽ホールを建設できるほどの広場はないのでホールを建設するとしたら多くの木々を伐採する必要が出てきますが、 専門部会の意見としては「設計の自由度が高く、西公園の景観と融合すれば新しいランドマークとなる可能性がある」と西公園近辺の他の候補地と比べると好意的な意見が出されたようです。
図書館があった場所の隣接地には広いグラウンドがあるので、ここを活用すれば設計の自由度が高くなりそうですね。短所としては「にぎわいのある場所から距離があり回遊の拠点にするには工夫が必要」と指摘されました。地下鉄東西線の大町西公園駅から歩いて数分の場所なので駅への入り口を新設するなどすれば交通の便は良くなりそうです。
この場所は戦前には宮城県図書館がありましたが空襲で焼失したあと公園になりました。中心部の貴重な公園として市民に親しまれています。1年を通して多くのイベントが行われているので専門部会でも「多くのイベントが定着している場をなくすのは望まれない」という意見がでました。
そして今回公表された候補地の最後の7ヵ所目は「錦町公園」です。錦町公園の中央にはヒマラヤスギの大木が並んでいて北側の広場と南側の芝生広場に分かれていますが、もともと南側にはレジャーセンターという名の市民体育館があり、老朽化のため解体された跡地を芝生の広場にしたんですね。西側にはNHKの新しい仙台放送局が昨年完成しました。
公園の一角にあるオブジェはレジャーセンターの建物の装飾の一部を残して保存したものです。
南側の芝生広場には、もともとレジャーセンターがあったので建物が建設されても違和感が少ないのかもしれませんが、芝生の周囲に桜が植えられていて新しい花見の名所として多くの人が訪れているので残念に思う人も多いかもしれません。専門部会でも「都市計画公園の廃止が前提で広く市民の合意を形成する必要がある」という意見が出ました。「にぎわい創出など都心部の厚みが増し、公演前後の過ごし方、まち回遊の点で優れている、東北圏からの集客に合致」など多くの長所も出ていて、候補地のなかでは一番可能性が高いのかなという印象です。
候補地としては他に2ヵ所、民間の所有地が検討されていますが民間の土地と言うことで具体的な場所は公表されませんでした。民間の土地の場合は土地の買収や既存建築物の解体などで費用が高くなってしまうので実現性は低そうです。個人的には「錦町公園」「市民図書館跡」「せんだい青葉山交流広場」の順で可能性が高そうかなと思いますが、2月4日の最終会合で報告書をまとめて新年度に仙台市が場所を決定するそうなので、間もなく出される結果に要注目ですね。
※参考サイト
河北新報・2019年1月23日付記事「<仙台市音楽ホール>西公園、錦町公園が有力か 候補7ヵ所公表」
コメント
仙台好きな他県の者です。
音楽ホールですが、できれば青葉山から街並み見る風景の一つとなるよう、西公園の計画にならないかなと個人的に思いました。シドニーのオペラハウスのように、シンボル的存在になるものができるのを期待したいものです。
コメントありがとうございます。
西公園に音楽ホールが出来れば自然の風景と溶け込んで杜の都のイメージとも合いそうですよね^^
ホールの建物自体も凝ったものにして「せんだいメディアテーク」のように国の内外から
評価されるようなデザインにして欲しいなと思います。